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PAPILLON PAPILLON パピヨン

2000年の歴史を持つフランス最古のチーズ、ロックフォールは、ゴルゴンゾーラ、スティルトンと並ぶ“世界3大ブルーチーズ”の一つです。ロックフォール村には7つのチーズメーカーがありますが、『パピヨン社』はその中でも古代ローマ時代からの伝統的製法に特にこだわったチーズづくりを続けています。

神秘的なチーズの誕生

人々は、「若い羊飼いは、女性の羊飼いと恋に落ちて気が逸れたのだ」と言います。彼は休んでいたコンバルーの洞窟の中にライ麦パンと羊のチーズを置き忘れたまま、彼女を追いかけて行ってしまいました。しばらくして彼が洞窟に戻ると、彼の食料が青緑のカビで覆われているのを見つけます。空腹に耐え切れなかった彼がそのチーズを食べてみると、驚くほどに美味しかったのです。洞窟の自然な風通し、ライ麦パンとラコーヌの羊のチーズ、この3つの要素が魔法をかけ、ロックフォールが生まれました。

1070年、カロリング朝の文献に初めてロックフォールの記述が出てきます。それ以降、ロックフォールの歴史はずっとロックフォール=シュル=スールゾン村とコンバルー山脈とともにありました。15世紀には、ロックフォールの生産がフランス各地に広がり、伝統的な製法の存続を危ぶんだシャルル6世が、フランスで初めて洞窟を保護区域とし、ロックフォール村の居住者に独占的な生産の権利を与えました。18世紀に啓蒙思想家ディドロらが編集した「百科全書」の中では、神聖なものとしてロックフォールに「チーズの王」の称号がつけられています。

ロックフォールは、1925年にアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC:原産地呼称統制)の認証を受けた最初のチーズとなりました。そして現在は、製品の産地を保証する「原産地呼称保護(AOP)チーズ」としてヨーロッパ諸国に認識され、その名を広めています。

今日も、ロックフォールはコンバルーの麓で製造されています。 

自然の富に恵まれた土地、
アヴェロン

南フランスのアヴェロンには、チーズの名前の由来となった村があります。
その名は、ロックフォール=シュル=スールゾン。この村の背後にそびえるコンバルーの岩山の一部が崩れ落ち、自然の豊かさあふれる洞窟や洞穴をもたらしました。そのユニークな環境の中でつくられるのが、 AOPのロックフォールです。

岩山が崩れ落ちてできた、その洞窟のうちのひとつでロックフォールは生まれました。
独特の風味を持つパピヨンのロックフォールもまた、その天然のセラーの中のひとつで、伝統的な方法で熟成されています。数100メートルにも渡り山を横断する“Fleurines=フルーリンヌ”(岩盤の崩落によってできた隙間)は、天然の煙突とも表され、地下のセラーに空気を運び込み湿気を与えることで、チーズの個性を引き出す重要な役割を果たしています。

アヴェロンの土壌はロックフォールの生産にとって非常に優れている一方で、熟成を行う職人たちの手による調整も欠かせないものです。彼らが温度や湿度を厳密に管理しながら、熟成の最後の段階で、ホイルシートにロックフォールを包装するタイミングを見極めているのです。

パピヨンの伝統を支える人々

  • 酪農家たち
    ロックフォール村には、ラコーヌ種の雌羊を育てるコース地方の羊飼いがいます。パピヨンは、チーズの製造に必要不可欠な高品質の生乳を供給してくれるその生産者たちと、長年にわたる関係を維持しています。
  • パン工房
    9月の1週間、パピヨンのパン工房は木で温めるオーブンを使って300個以上ものライ麦パンを焼きます。ライ麦パンは、ロックフォールの製造に必要な、ぺニシリム・ロックフォルティというカビの生成を確保するために大切な役割を果たします。この風習こそが、パピヨンのチーズに独特の風味をもたらすのです。
  • チーズ職人
    パピヨンのチーズ職人は、ロックフォールパピヨンのレシピの管理者でもあります。職人たちは現産地呼称保護(AOP)の枠組みに沿って、羊の生乳からチーズへの変化を管理しているのです。彼らはこうして、ロックフォールに独自性と個性を与えるために貢献しています。
  • チーズ熟成士
    熟成士はコンバルーの自然洞窟でひそかに作業を行います。来る日も、来る日も、チーズの香味、質感、味を深めるためにチーズと向き合っています。ロックフォールパピヨンは、職人によって独自のノウハウが生み出された結果であり、洞窟内の環境と時間経過から生み出される魔法の成果といえるでしょう。

通好みのロックフォールチーズのために

ロックフォールパピヨンの製造において、ライ麦パンは不可欠な要素のひとつです。ライ麦パンの中でぺニシリム・ロックフォルティという菌が発酵し、その菌がチーズに風味と独特の緑と青のマーブル模様を生み出します。この伝統を保護するため、菌を外部から仕入れるメーカーが多い中、パピヨン社では自社所有のパン製造用オーブンで、菌を育てるためのパンを、40年にわたり焼いています。それにより、菌およびチーズの出来上がりを完璧にコントロールしているのです。

パピヨンのパン職人は毎年9月に、ロックフォールパピヨンのレシピに使用される一年分のぺニシリム・ロックフォルティを確保するために、約300個のライ麦パンを焼きます。このパンは外側が炭素化していますが、中身はしっかりと水分を含んでいます。そこにぺニシリム・ロックフォルティ・パピヨン菌を撒き、1ヶ月もすると、菌はパンのローフの中心で発酵を始めるのです。天然の洞窟で40日ほど堆積し、パンを開けて中から貴重な菌を取り出します。

この菌こそが、ロックフォールパピヨンの食通を魅了する風味豊かでシャープな味わいを創るのです。

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